富士山のこと
新宿の仕事場から富士山が見える。 冬になると天気のいい日には必ず見える。 富士山は昔から関東の人々、あるいは関東を旅する人々にとって馴染み深く、どこからでも見ることが出来る山であった。
葛飾北斎の「富嶽三十六景」はあまりにも有名。 小布施の北斎館では、じっくり時間をかけて作品を見た。 北斎は1760年~1849年、享年90歳まで生きた。 江戸時代の人物としては驚異的な長寿だった。 彼が「富嶽三十六景」を描いたのは72歳のころらしい。
北斎の「富嶽三十六景」の中でもっとも有名なのは、液晶TVのCMでも出ている「神奈川沖浪裏」と「赤富士」だろうと思う。さすがに新宿から浪裏というわけにもいかないので、写真はない。
とはいうものの赤富士というのもまた無理だから、一枚の写真は夕焼けの富士である。 オフィスには舶来人種も多いので、Sunset Fuji と呼んでいる。 今日のように一日中窓から富士が見える日は珍しい。 北風の吹く日に限って見られる現象だと思う。
オーストラリアから来た舶来人とフランスから来た舶来人が今年の夏、富士登山に挑戦した。 フランス人は根性で頂上を極めたが、オーストラリア人は7合目付近で悪天候に遇い撤退した。 彼はその悪天候をStorm(嵐)と呼び、来年の夏は必ず登ると宣言している。願わくば誘わないでほしいものだ。 日本人が一番早くリタイアするのは後々問題になりかねない。
まあ、多くの問題課題を抱えていても、今日が金曜日だったことも重なって、「仕事はもういいや」と富士を眺めて写真を撮る不届きなビジネスマンを、見て見ぬ振りをしてくれた皆さんに感謝。
11月24日(金) @東京 西新宿
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