たきのこと
東京都の面積は約2,200㎢です。 日本の面積の0.6%に過ぎません。 それでも人口は1,267万人で日本の人口の1割が住んでいます。 多くのひとびとがきっと満員電車や高層ビル、それに混雑した街をイメージしていると思います。
でも東京都の自然も捨てたものではありません。 東京都を代表する川に多摩川があります。 山梨県との県境のミズヒを水源に130kmを流れ羽田空港で東京湾に注ぎます。 この多摩川の源流域にはなかなかの環境が数多く残っています。 もちろんほとんどを人の手の入った植林や二次林が占めますが、長い文化とともに息づいてきた人と自然のつながりをあちこちに見ることが出来ます。
週末に奥多摩周辺を巡りました。 正確には桧原村から奥多摩町を周ったわけですが、今回は1年ぶりくらいに払沢の滝に行って見ました。 払沢の滝に向かう最後の建物が郵便局を移設した民芸品のお店「森のささやき」があります。 ちょうどオーナー夫妻が到着されたところで、「じゃあお店が開くまで滝を見てきますね」と声をかけて滝に向かいました。
滝がかかっている沢はセキ沢という沢です。 多摩川の支流秋川、その支流北秋川のそのまた支流です。 水量は普通でしょうか、ぼくにとっては少し少ないかな・・・という感じがしました。 前回来た時には滝の下の溜まりにヤマメが泳いでいましたが、さすがに真冬だからか今回はいませんでした。
払沢の滝は実は4段の滝です。全部で落差は60mですが、下から見えるのは最終段のみで26mほどです。 去年はこの時期はすでに氷瀑になっていたのですが、今年はまったくその気配がありません。 帰り道にさきほどのお店に寄ってオーナーにお聞きすると、今年はどうでしょうねえ・・・とのことでした。 オーナーの双眼鏡で見せていただいたのは綾滝だったのでしょうか・・・向こうの山の中腹に流れる滝、肉眼では白い筋ですが、スコープを覘くと水の流れがはっきりと見えて迫力がありました。
滝を離れてから峰に上がってみました。 浅間尾根へは車で行くことができますが、途中たくさんのハイカーを見かけました。 皆さんぼくより年配の様子で、半世紀以上を生きてきたのに元気な方が多いことにいい刺激を受けました(ぼくも歩かなければ・・・)。
浅間尾根からは奥多摩の人々が沢の周りだけでなく、山の上にも暮らしてきたことが感じられる風景を見ることが出来ました。 三峰神社の宿坊も1000mを超える標高の尾根に街があるのですが、東京都の中にこんな場所があって人々が生活しているなんて、あの街の真ん中では想像もできないですね。
なんか山歩きというか山里をまわるのってだいすきなんですよね。 もちろん人の息吹を感じられないほどの自然のなかにいることも素晴らしいですが、人の息吹が適度に感じられる自然の中がいちばん落ち着くように思います。 のうみそぼのぼの、いい洗脳になりました。
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