へんないえのこと
世の中にはいろんな人がいます。 みんな違う人生ですから、考え方とか感じ方も少しずつ違います。 東京のようにいろいろな人が集まる街ではその違いをたくさん見ることが出来て面白いものです。
今回はめずらしい家についていくつかご紹介したいと思います。最初の家は残念ながら今年(2007年)取り壊されてしまいました。 最近まで住んでいる人がいたというもっぱらの噂です。 蔦のからまるチャペルや洋館は高級感があるのに、なぜ蔦のからまる日本家屋は貧しく見えてしまうのでしょうか。 西洋コンプレックスが根底にあるのかもしれませんし、怪談などに出てくるあばら家のイメージが日本人にしみついているからかもしれません。 でも意外と夏は涼しく冬は暖かかったりして。。。
さて二番目は、これはおそらくとんでもない建築基準法違反でしょう。 木造家屋の二階の上に増築した三階棟の重さによく耐えています。 でも眺めているとこれはこれでオブジェのように思えてきます。 ちょっとスリルを感じながら生活していらっしゃるのでしょうか。 しかし思い起こせば、私が子供の頃住んでいた家も似たようなものでした。 高度成長期の初期に我が家には2台のオート三輪車がありました。 工務店だったのです。 その車庫の上に2階の住居をくっつけていました。 ですからこの家を見たときはなんとなく懐かしさを感じたのです。
最後のめずらしい家は、ここの住人は知らない人ではないのでちょっと戸惑いはあるのですが、実は芸術家なのです。 樹木名は確認していないのですが、たぶんケヤキでしょう。 そのケヤキと一緒に生活するという、凡人の感覚を超越した生活観にはなかなかのものがあります。 そして自然と対比させるように、メタルで作った外壁が現しているものは、おそらく人間の文明に抑えつけられても、必ず自然は蘇る・・・そんな風にとらえてもいいのではないでしょうか。
常識に捉われて生活をしていると、見えるはずのものが見えなくなることがあります。 建築の世界の話ではなく、建築物の向こう側にある生活をイメージしてみると、また別の世界があるように思うのです。 私には、社会の固まった常識を超えてなにかを学ばせてくれているような気がします。
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