野川のカワセミフィーバーのこと
野川には複数のカワセミが営巣していて、その周囲には毎週多くのカメラマンが集まっています。 野川の環境は山里と違って、カワセミが留まってじっと魚の動きを見る場所がほとんどありません。 その分、留まる場所は限られているので三脚を定着していても何度となくシャッターチャンスがくるのでしょう。
この杭はカワセミが好んで留まるポイントです。数本ある中でも真ん中よりの杭に留まることが多いように思います。 巣のある場所から上流方面に散歩しているとカワセミが追いかけてブンブンと羽音を鳴らしてきます。 そしてこのポイントかもう少し上流にある低木の枝に留まるのをしばしば見かけます。なるべくカワセミ・カメラマンの邪魔にならないように違う場所で撮影していますが、今日はこのカワセミにそっと近づいて数mまで間合いを縮めての撮影で、彼(彼女?)が飛び立ったときに後ろの土手に数人のカメラマンが追ってきていてびっくりしました。 ほんとうのところはキセキレイが戻ってきていたのでそれを追っていたのですが、カワセミのほうからこっちに来てしまったのです。
カワセミがよく魚を狙っているポイントから飛び込むのが見えました。シャッターを押しましたが、水沫のなかに微妙に青い色がにじんでいるのがカワセミです。 今年の野川はオイカワも多く、餌が豊富です。 残念ながら今日は上流で橋の工事のためか水を止めていたので、汚れ水になっていましたが、きちんと捕食していました。
枝などに打ちつけて魚を失神させたあとは、長い嘴で巧みに魚をのどに転がしこみます。 このしぐさはなかなか楽しいシーンで、何度見ても感心します。 でもカワセミの捕食のドラマのそばでは、シジュウカラが枝から枝へ飛び回り、モズが遠目に餌を狙い、ヒヨドリが重そうな体を丸めて太目の枝に留まっていたりします。
カメラマンは10人ほどいたでしょうか、最近ではいちばん多かったかもしれません。 そして今夜、TBSの動物番組で野川を特集しているのを見て、ちょっと困ったなあ・・・と不安になりました。 というのも野川のカワセミを特別なもののように扱い、都会にあって自然が豊かみたいなイメージの紹介でしたから。カワセミは23区内にも結構いるんですけど・・・番組を見たひとが、自然との間合いを破って侵入し、一部の生き物が追われてしまわないかという不安を覚えたのです。 野川のカメラマンたちはカワセミとの間合いを十分解っているのですが、辛抱強くカワセミを待つ彼らの忍耐を平気で破る人が来ないことを祈ります。
| 固定リンク | 0
コメント