代々木川から渋谷川へのこと (2)
明治通りと外苑西通りをつなぐ原宿署前につながる広い道路を越える。 道路の向こう側になにやら橋脚の柱のようなものが見える。
原宿橋とある。 年号は昭和9年5月竣工とある。 ほんとうに戦前のものかは分からないが、移設されたのかもしれない。 ただ、ここが渋谷川で橋がかかっていたことだけは間違いない。
キャットストリートを反対側から歩くのは初めてだ。 適度に曲がりくねっていて、かつて川だったことが良く分かる。
ほそい裏路地を見つけた。 建物も戦後だが比較的古いつくりで、これらが建ったころは川があって、そのため川とは反対側にこんな細路地があって人が行き来していたのだろう。 落書きが下品でセンスのカケラもないのが無念だが、路地の存在は嬉しい限りだ。
このあたりはかつて川だったことを逆に意識したつくりになっている。 受け止め方としては微妙である。 古いものを残すことには賛成だが、模倣して作り直すのはどうなんだろう。
万年塀に沿うように付いている鉄製の手すり。 こういう残り物のほうがむしろ嬉しい。 ここが川だったというのを隠しながらも、隠し遂(かくしおおせ)せてないところが日本の風情としてはいとをかしなのだ。
渋谷川(キャットストリート)はとうとう表参道にぶつかる。 表参道は明治神宮とともにできた道路だから、昔から今の道幅があったはず。 なかなか立派な親柱のようだ。
このプレートはちょっと古いようだが表参道の歩道にしっかりと立っていた。 駅名や、その他名称からすると、大きく変化した周辺の様変わりに取り残された感じがして面白い。 同潤会青山アパートはすぐに気づく。 そこは表参道ヒルズになっているからだ。 あとは明治神宮前駅も駅名が変わっている。 昨年の3月から明治神宮前原宿駅となったのだ。
やや古めのものとしてはヒルズの裏手にある神宮前小学校。 創立80周年と掲げてあった。 80年前はこのあたりはにまだ田畑が残っていた可能性がある。 こどもたちは学校帰りに目の前の渋谷川で遊んだことだろう。
一歩表通りに出るとブランドの中心表参道、そのまたメインであるヒルズがある。 トップモードの地でありながらちょうちんや国旗もまた似合う、不思議な街だ。
| 固定リンク | 0
コメント