残暑のタウンウォーキングのこと
残暑の中、体がなまるので散歩に出かけた。特に目的なく、定期の範囲内で済ませようという安易で軽薄な散歩である。経堂まで歩いてホームに上がると準急が来た。とりあえず代々木上原で下車。かつて働いたこともあって、路地裏まで記憶がある街である。
駅の北側、現在は高級住宅街になっているが、戦前は農地で渋谷川の源流だったため、こういう水路跡の細道がある。この水路跡の源流は代々木大山公園近くでそこから代々木上原駅北側に沿って流れ、代々木八幡と山手通りの交差する辺りを通って、富ヶ谷下の代々木深町で「春の小川」の河骨川と合流し宇田川となり、やがて渋谷駅で渋谷川に注いでいた流れ。河骨川が支流だとするとこちらが宇田川の本流筋にあたるのだろうか。
やがて上原と八幡の間に続く商店街が流れの痕跡となるが、そこに骨董商の古い建物があった。後ろのモダンなデザインのビルとのコントラストが面白い。この辺りは長妻議員のエリアなので、やたらと彼のポスターがある。
山手通に出ると突如目の前に巨大な煙突が現れる。ちょうど代々木八幡駅の北側になる。これは地下を通る首都高トンネルのハイテク換気塔。なんと45mもの高さ、トンネル内の排気ガスは完全浄化されてきれいな空気になって排出される。こういうハイテクは嬉しい。
さて、山手通から代々木八幡の地名の由来、代々木八幡宮に立ち寄る。ここは小高い丘になっていて、縄文時代は海岸に突き出た土地だったらしい。今の小田急線は水面下10mくらいになるのだろうか。
境内には復元された竪穴式住居がある。遺跡の年代はおよそ4500年前。説明板には、この竪穴式住居は夏は10度涼しく、冬は10度暖かいと書かれている。なんだ、縄文人のほうが現代人よりよほどエコで進化した文明をもっているじゃないか。
最近日本家屋が少なくなったが、特に震災復興で建て直しをする場合には、日本家屋での建設に優位な補助をしてくれるといいと思う。 和式の建物が増えると、日本人として嬉しいし、訪れたくもなるように思うのだが。
代々木八幡から参宮橋まで歩くと汗が流れてきたので、明治神宮の森で涼をとる。なぜ森の中はこんなに涼しいのだろうか。 アスファルトの上と神宮の森の中では体感で数度の差が間違いなくある。
最後は新宿南口のモンベルに立ち寄って「見てるだけ」。新宿から帰宅した3時間8kmの散歩だった。
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