秋の山形釣行 (3)
3日目はPLAさん、キョシさんと大鳥川へ釣行。今回のメインと言ってもいい中日だ。キョシさんと待ち合わせ、早朝に寒河江を出発する。寒河江からは約2時間の道程である。泡滝ダムに着くとすでに数台の車がある。どれが釣り人でどれが登山者なのかはなかなか見分けがつきにくい。準備を終えて登山道を1時間余り歩く。
先月はなかった作業小屋が登山道の入り口にできていた。大鳥川のこの区間には入渓できる場所が数えるほどしかない。それだけ険峪ということだ。
途中には崩落しかけている場所もあるが、登山道はよく整備され、今回は道脇の草まで刈ってあった。先月の入渓点をやり過ごし、脱溪した沢から今回は入渓する。登山道の吊り橋のたもとに下りれば、本流はすぐである。
PLAさんとキョシさんはすぐに準備を整えるが、私は体力の回復を待つようにゆっくりと準備した。さすがにここまで1時間余りの登山道は体に堪える。
秋になったせいか岩魚の反応が渋い。それでもPLAさんが間もなく1尾目を掛けて、タモに入った岩魚を観察している。
間もなく私にも岩魚が掛かった。今回は水量が3割程度少なかったので、遡行は楽だが、反応が極めて渋く、手前で反転する岩魚が目立った。底石も茶色くなっている箇所が多く、水量が復活するまではこの渋さはどうしようもないと思われた。
底石のきれいな場所で釣ると白っぽい大鳥らしい岩魚がでるのだが、少し深みのある場所で掛けると腹の黄色い居付き風の岩魚が出てくる。
それぞれが数尾程度釣ったところで昼食にしようと言うことになった。ふと上流を眺めると先行者がいる。「あらら、それで渋かったのね」と苦虫を噛むような雰囲気。1時間余りの登山道を歩いてもうすぐ8割がた予定コースを終えようという段階での先行者発見はショックだったが、脱溪点のないことからもしもっと手前で気づいていたらもっとがっかりしただろうと思った。
まあここまで数尾とはいえ楽しく釣れたのだからよしとしよう。そういう切り替えが必要な時もある。
PLAさんもキョシさんもめげずに竿抜けを探って釣っていく。先行者は本流を上って行ったので、我々は沢に入ることにした。
ここから岩魚の着き場は割りとまともになった。ちゃんと普通の場所で出てくれる。私も反応を楽しんだ。
不調だと嘆いていたPLAさんも沢に入って岩魚の反応を楽しんでいたようだ。
そして、小さなポイント(幅50cm×長さ1m)に毛鉤を落とすといかにも良型と思われる岩魚が食らいついた。尺くらいまでなら引き抜けるテンカラの仕掛けなのだが、浮いてこない。竿が大きく曲がり綱引き状態になった後、大岩魚は毛鉤を見事に外し逃げてしまった。魚体を見たPLAさんも尺は十分にあったと言っていたが、綱引きの感覚はポンドで50cmクラスのブラウンとやりとりする位のトルクがあった。それだけに未だに悔しい気持ちが消えない。しかし判定は岩魚の勝ちである。
水量が少なくなってきたところで沢を戻り脱溪、登山道を1時間半ほど下る。途中、すばらしいブナの森が広がる。雪多い奥山らしく根曲がりのブナの柔軟な力強さを感じられる。
得滝(とPLAさんが前回命名)で休憩。ここでの休憩は大鳥に来たときのお約束のパターンになりつつある。
悔しいことが重なりはしたが、PLAさん、キョシさんとの釣行はすこぶる楽しいものだった。帰り道も最年長のキョシさんが運転してくださり、ついうとうとしてハッと気づいて申し訳ない気持ちになった。
PLAさん、キョシさん、本当に有難うございました。来年もぜひまたご一緒しましょう。
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