渇水の日川を釣る
三連休初日の土曜日、台風18号が接近しているので好天はこの日だけと山梨の日川に向かった。中央道の渋滞は想定内だったが、勝沼ICまで3時間掛かった。普段は渋滞していても2時間余り、通常は1時間だから、もっとも酷い部類の渋滞だったと言える。
中央道の渋滞は東北道や東名と違って、サンデードライバーの運転レベルに起因すると思っている。登坂車線があると見た目空いているそっちへ入り、その合流で停車するくらいまで速度が低下。単純に合流ができないのに合流回数を増やしているからだ。ルールを作る側が、渋滞時の登坂車線走行は路肩走行と同じという認識をしないと改善できないだろう。
水温は高めだが適水温の範囲内。当然釣り人は入っているが、関東の渓では気にしてはいられない。しかし、釣り人よりも手ごわい相手がいる。それはこの時期特有の渇水。特に今年は酷い渇水なのである。
写真の右側には流れがあって、左は水が無い。真ん中の岩の所で小さな滝のようになって地下に水が落ちていく音が響いている。伏流水になっているのだ。渓魚たちは伏流の中でも生きていけるらしい。それが証拠に水量が戻ると湧き出てくるように餌を追う姿が見られる。
流れのある部分の本流でもこの程度。普段の半分しか流れが無い。渓魚は走りもしない。水溜りのようなところに数センチの稚魚が居た位である。これではどうしようもないと判断して、小沢に突っ込む作戦に変更。
小沢に入るとハコネトリカブトがあちこちに咲いている、9月から10月が花期の毒草。花はいかにも毒のありそうな色合いをしている。でも花はどうでもいい、未だに毛鉤に食いつく魚も居ないのだ。このままだとボウズになってしまう。
小沢の滝まで来たがまだ反応が無い。 過去この小沢ではここまで数尾は出たのにと思うとここで引き返そうかと言う気持ちが出てくる。しかし滝上でようやく瀬尻にいた岩魚が毛鉤に反応した。食い込まず、掛ける事はできなかったが急に期待が膨らんできた。
そしてようやく出た。17㎝の若い岩魚だったが本当に嬉しかった。12番の大きな黒いパラシュートをきっちり咥えてくれた。それでこそ岩魚くん。
写真の小さなポイントで出てくれたのだが、渇水でもうここしかいないだろうというくらいの場所だった。満足したのでここで納竿。
沢の上流まで行くと10mほど斜面を登ったところに杣道がある。これを使って楽チンに戻れるわけだ。こういう沢はいい。沢通しは疲れるから。
途中大きめな動物の足跡を見つけた。いのししのようだが長さが10㎝近くある。鹿(5~7㎝)にしてはどう見ても大きいし、いのししとしても大きいほうだ。大きないのししは嫌だな。
道路に戻ると、ススキが秋の景色を作っていた。子供の頃から今だにススキとカヤをいつも区別できないでいるが、このススキは秋の代名詞。 団子とお月見とススキでセットになっている。
いつも釣り終えたあとに山の代表と見込んで感謝している大クヌギの向こうでカエデが紅葉を始めていた。山の神がもうすぐ渓流釣りの季節が終わるよ、と言っているような気がした。
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