幽霊坂と聖坂(港区)
伊皿子坂の交差点からさらに三田方面に進む。 公衆トイレのあるY字合流の先の路地を左に下ると幽霊坂である。
周りはここも寺だらけ。 寺院や墓のある坂を幽霊坂ということが多いが、ここの幽霊坂は第一級の幽霊坂である。 というのも塀が織りなす段々とその傾斜がすばらしい。 そのまま下っていくと慶応大学前の大通りに出る。
大通り側の入り口は狭くて暗め。 そこに幽霊坂の道標がある。 この痛み方が最高に良い。 いったん下った幽霊坂を再び登ると、下からの眺めもまた格別だった。
写真は途中まで登ったところからの絵だが、どれくらいの傾斜があるかわかると思う。 幽霊坂を挟んで6つの寺がある。 どれもいい佇まいの寺院だった。
幽霊坂を登って二本榎通りに戻ると渋い赤紫色の高層ビルが目に飛び込んでくる。 三田のベルサールのある住友のビルである。 写真では出ないが、青空とのコントラストが素晴らしい。手前の駐車場あたりには最初のフランス公使館が置かれたらしい。 この辺りはそういう外交の街でもあったようだ。
まもなく聖坂の下り。 お坊さんとかかわりのある名前らしい。 この道は中世からあって高野山の僧が切り開いたとか。 まあ、諸説の域を出ない。
今回はいにしえと現代の組み合わせ。 聖坂を下りきるところに面白い建造物があった。 建築家岡啓補氏が創作したビルのアートである。いきものビルとか呼ばれているが正しい名前は蟻鱒鳶ビル(ありますとんびびる)。 ここにありますという意と、シェラトン、ヒルトンなどの豪華ホテルにつく「トン」そして「ビル」を付けたという意味不明のネーミング。 夜光るという意味深な看板が隙間に見え隠れする。
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