南麻布の坂 (2)
フランス大使館から大通りに出るとそこは明治通り。 光林寺に立ち寄る。 空が真っ青で秋らしく気持ちが良い。 都会の中でも寺社に入るととても落ち着く。 しばし庭を愛でてから、新坂に入った。
新坂といってもできたのは元禄時代。 しかし坂は平凡でこれといって大した坂ではなかった。 坂上に上ると角にフィンランド大使館の敷地の石垣がある。
坂上にも道標があるが、坂上に近い部分は傾斜が緩やかで坂という感じはしない。 大使館を右手に見て手前を右折すると、本村小学校を右に見ながらの下り坂。これが阿衡坂。 これもまたあまり傾斜のない坂で、最後の角の手前だけに傾斜がある。
ちょうどこの写真のあたりがもっとも標高の低いくぼみになる。 ここからは急な登りの坂が始まる。 奴坂である。
昔は坂上に道標があったようだが見当たらなかった。 朽ちてしまったのだろうか。 坂を上って右折すると薬園坂。 長い坂だ。 坂の途中で右手に急に落ち込んでいく坂がある。 これが釣堀坂。 しかし昔この窪地にあったという釣堀は先ほどの奴坂の坂下に今はある。
2.5m幅の旧規格道路を下ると向こうに階段の登りがある。 ここの地形がよくわかる。 渋谷川(古川)に流れる沢があったのだろう。 一番低いところに狭いながらも楽園坂緑地があって樹木が植えられている。
路地をつたって薬園坂の坂下に出る。 写真の左にあるのはイランイスラム共和国大使館。 麻布は大使館の多い街だ。 南麻布のこの地域だけで、ドイツ、フランス、イラン、フィンランド、韓国、中国、パキスタン、アルゼンチン、スイスがある。
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