山王坂(千代田区)
国会議事堂の裏から赤坂山王日枝神社に向かって下る急坂。坂下を右折すると三ベ坂、直進で山王切通坂になる。 170mほどの見事な坂道。都心でもこれほどの直線坂はまれである。古い舗装路だったが、数年前にきれいに拡幅舗装された。坂上には花崗岩の石柱が「山王坂」の名を知らしめている。
坂の途中に文字の消えかかった標柱がある。しかし坂道の標柱を夜中にこすって見えなくしたり、いたずら書きをして読めなくしたりする許せない輩がいることは許せない。 いたずらに対する罰が軽すぎるのだ。
で、標柱には次のように記されている。「この坂を山王坂といいます。この坂あたり、明治維新までほとんどが山王社(日枝神社)の社地であり、社前に下る坂なのでこの名がつけられたのでしょう。また一名鹿島坂ともよばれていますが、坂の近くに明治時代の豪商鹿島清兵衛の邸宅があったのでそのように呼ばれたといいます。」
坂下には日本料理店と思われる佳風亭とそば店黒澤がある。どちらもとてもいい外観で周辺の議員さんにお似合いに思われた。坂下はいわゆる谷底になっており山王神社側は再び上り坂になる。 江戸期以前はここは現在の自民党本部辺りを源頭にした沢筋でそのまま溜池に流れ込んでいた。ここでは江戸よりもさらに昔に思いを馳せる。日枝神社もここにない時代の風景が脳裏にめぐる。
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