桑原坂(白金台)
手前事だが長女が2年ほど前に白金の八芳園で結婚式を挙げた。 その八芳園の角から明治学院大学方面へ下るのが桑原坂である。 坂の上下にある標柱には、「今里村の地名のひとつである。その起源について、特別の説は残っていない。」と港区らしくそっけない。
八芳園の角に古地老稲荷神社という小さな稲荷があるが、これは文政13年(1830)の鎮座で村人が建てたようだ。 坂の南の裏手にある瑞聖寺(ずいしょうじ)のほうが古く寛文10年(1670)の開山。 現在のこの辺りの住所は白金台だが、明治の初期は南白金村、大正時代になって今里町となったようだ。
坂の景色のひとつに八芳園の木塀がある。この段々になった黒塀が雰囲気を深いものにしている。 八芳園は大久保彦左衛門の下屋敷の跡だと言われているが定かではない。江戸後期の地図には松平薩摩守の屋敷になっているから島津藩の屋敷だったのだろう。
坂を下っていくと明治学院大学がある。 島崎藤村の出身校である。 明治学院大学ができたのは明治時代(1887)で、創始者はローマ字を作ったヘボン夫妻、そのヘボン塾が母体である。
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