絶江坂(南麻布)
薬園坂の一本東の道が絶江坂である。坂下の標柱には、「承応2年(1654)、坂の東側へ赤坂から曹溪寺が移転してきた。初代和尚絶江が名僧で付近の地名となり坂名に変わった。」とある。
薬園坂のイラン大使館前から人ひとり通れるだけの路地があるが、古い地図を調べてみると、この路地は江戸期からあるようだ。不思議な曲がり方をしているので何故だろうと思った。イラン大使館周辺は江戸時代は常陸土浦藩の土屋家の下屋敷であった。そこから絶江坂にかけては寺町で、4軒の寺が軒を連ねていたが、その寺と寺の間の路地が今に残っている。明称寺、延命寺(現在は延命院)は現在も残っているが、東徳寺と龍徳寺はない。
絶江坂は延命院と曹溪寺の墓地の間を上っていく。坂上は左に曲がって薬園坂に繋がる。辺りは麻布台地の南端にあたり、その河岸丘の斜面沿いに寺と武家屋敷が立ち並んでいた。今はその寺の周りに大使館やインタナショナルスクールがあったりして、隔世の感がある。
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