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2017年3月 5日 (日)

幽霊坂(三田)

幽霊坂と名付けられた坂は東京に8か所あるが多くは別名が幽霊坂である。おおよそは暗い坂であることからついた別名だが、本名が幽霊坂というのは半分。文京区の目白台に2ヶ所、靖国神社裏に1ヶ所、そして高輪台の幽霊坂とこの三田の幽霊坂である。幽霊坂の条件を寺町であり墓がそばにあるという点では、この幽霊坂が随一だといえる。

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それに加えて若干苔生した石垣が雰囲気を盛り上げている。三田のこの辺りは寺また寺の街である。南西の魚籃坂からこの幽霊坂までの200~300m四方の中になんと15の寺院がある。

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幽霊坂の面白い点はその雰囲気だけでなくここが二段坂になっていることだろう。 一つだけ垂直に接続する丁字路の道筋周辺が踊り場のようになっている。高輪台地が古川に削られた河岸段丘の名残だろうか。この辺は自分の中で宿題にしたいところ。

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さらに雰囲気が高まるのは踊り場から下、桜田通りに出るまでの下り坂。 玉鳳寺の門前から随應寺と忍願寺の間を下っていく、幽霊坂の中でももっとも斜度のある部分。坂に合わせて階段風になった随應寺の塀が綱坂のそれに似ていて優雅さを感じる。

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桜田通り側から望むとこんな感じの風景。 この辺りに寺院が多いのは、江戸の初期に幕府が江戸城の城郭拡大に伴って八丁堀にあった寺院がここに移転させられたからと伝えられる。 しかし八丁堀辺りは江戸入城期に埋め立てられたエリアだから、わずかな期間でここに移転させられたのだろう。例えば随應寺は1611年に八丁堀に創建、1635年にここに移転、玉鳳寺は1599年に八丁堀に創建、1635年に移転。 概ね1635年に多くの寺がここに移されたという記録がある。

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