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2017年4月26日 (水)

狸坂(麻布)

狐坂の坂下の辻を真っすぐに進むと再び急な上り坂になる。狸坂である。まみ坂(まみは狸の意)、旭坂、切通坂の別名がある。旭坂は朝日坂からの転化らしく、この坂はほぼ東に向かって登り、朝日がまぶしい上りになるからだろう。

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大正前期までこの谷筋はススキの原だったようで、坂の南側には大きな楠があってその根っこに狸の親子が巣を作っていたという記録もある。狸坂は都内にもう一つ、千駄木にある。千駄木は狸坂、狐坂、むじな坂が平行に並んでいる。

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坂上近くには教会があって、麻布グレイスゴスペル教会セントメアリー記念礼拝堂という。 もっともこの協会は結婚式の前撮りや、結婚式そのものがメインのようで、さすがにお洒落な雰囲気を醸し出していた。写真の石垣はその協会の石垣だがもとはここにあった邸宅の建設時に組まれたものだろう。

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坂の上下に標柱がある。「人を化かす狸が出没したといわれる。旭坂というのは東へ上るためか。」と相変わらずあいまいな港らしい説明書き。 しかし麻布の坂の中でも特にいい雰囲気と景色の坂である。

(追記:2019/1/2)

「狸坂の伝説」

昔、狸坂の周辺は樹木がうっそうと茂る場所で、捨て子もしばしばあった。 その狸坂には石の地蔵などを集める変わり者の狸が住んでいた。 ある夜、たまたま通りがかった町人が坂を通っていると赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。 町人は哀れに思い赤ん坊を抱きかかけて家に連れて帰ろうとすると、なぜだかまた狸坂に戻ってきてしまう。

そうこうしているうちに、だんだんと抱いている赤ん坊が重く感じられるようになってきた。おかしいなあ、と思い抱いている赤ん坊をよく見てみると、石の地蔵であったとさ、

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