丹波谷坂(六本木)
乃木坂、六本木、飯倉と走る大通り(外苑東通り)は峰筋の道である。 この通りより北は下り坂、南も下り坂。 そしてドン・キホーテの裏手に向かって市三坂から谷が切れ込んでいる。下はその地形図だ。
溜池へ流下する谷筋の源頭は丹波谷坂の南側、閻魔坂あたりだろうか。 この谷を丹波谷と呼んだ。現在でも首都高渋谷線が中央環状線に合流するジャンクションを谷町JCTと呼ぶのは、アークヒルズあたりのこの地域をかつては麻布谷町と呼んでいたためだが、その源流が六本木交差点近くなのである。
坂の上下に標柱がある。「元和年間(1620年ころ)旗本岡部丹波守の屋敷ができ、坂下を丹波谷と呼んだ。明治初年この坂を開き、谷の名から坂の名称とした。」と書かれている。確かに江戸切絵図にはこの辺りの道は描かれていない。明治の途中からこの道は地図上に現れる。
都心の起伏の激しいエリアは大通りを通っていては感じにくいが、一歩裏道に入るとこのような急坂に度々出くわす。 どんな開発を以てしても、地形を変えることまではできないことを感じてしまう。
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