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2017年4月12日 (水)

暗闇坂(麻布)

麻生の坂の中でもっともいい景色を見せてくれる名坂だと思う。鳥居坂を下り、あひる坂を過ぎるとすぐに暗闇坂の登りに差し掛かる。緩やかに湾曲しているので坂の頂上は見えない。この「頂上が見えない」ところにこの坂の魅力がある。
 
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坂の上下にある標柱には、「樹木が暗いほど生い茂った坂であったという。以前の宮村町を通るため宮村坂ともいった。」と書かれている。この坂を境に東側が一本松町、西側が宮村町という町名だった。宮村町側は寺町で江戸末期には増上寺の隠居所であった。
 
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増上寺は徳川幕府との深いつながりを持つ寺だけに、天慶5年(942)からここにあった麻布氷川神社に対して万治2年(1659)に幕府の命で追い出して、増上寺の隠居所を作ったらしい。その隠居所の石垣が今も残る石垣である。氷川神社は今は坂上の一本松坂の先、元麻布ヒルズの南側にある。
 
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昭和の前半まではとても寂しく暗い坂で、おいはぎや痴漢が出没する危険地帯だったという。いまはオーストリア大使館が東側にあり、石垣側の樹木の陰にはなっているが幾分明るい。とはいえこの道は江戸時代から、準幹線道路とも言える道で、六本木~鳥居坂~仙台坂上~四の橋を経て南白金村へ続いていた。
 
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現在オーストリア大使館がある場所は、大島甲斐守の上屋敷だったとあるが大島甲斐守がどこの大名なのかはわからない。
 

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