土器坂(飯倉)
土器と書いてかわらけと読む土器坂は飯倉交差点から南に下り赤羽橋へ達する緩やかな坂道である。 とても広い道路で坂道感はない。とはいってもこの坂は国道1号線だから致し方ない。坂名の由来には複数の説がある。 南の三田界隈に渡辺綱の伝説が多くあるが、その渡辺綱がここで河原毛(褐色系の毛色)の名馬を求めたためという説。また、この地域に土器師が多かったためという説などである。土器(かわらけ)というのは赤土で作る焼物のこと。
坂下の赤羽橋の名前にも由来があり、赤羽というのは赤埴(あかはに)の転化だという。 赤埴というのも赤土で作った焼物のことである。赤羽橋そばの芝公園には丸山古墳もあり、この辺りにそういう文化があるのは納得性がある。
昔はもっと勾配のある道だったが、都電が通される折にかなりなだらかに変えられたようである。江戸時代は、通り沿いは町屋で東側は増上寺の周辺に幾多の寺院が並ぶ寺町だった。坂上の熊野神社は江戸期から今に至ってランドマーク的な神社だったが今はビルに埋もれている。しかし創建は養老年間(717-724)ときわめて古く、長い時代この地の鎮守として今に至る。
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