愛宕神社男坂・女坂
愛宕神社はおそらく東京でも五指に入る神社だと思う。創建は1603年。 徳川家康が防火の神様として建立した。愛宕神社は古代東京の岬のような場所で自然の山としては23区で最も高い山である。 中でも男坂の階段は有名で、別名「出世の石段」とも呼ばれる。
東京で一番高い山というと新宿区戸山団地の箱根山(44.6m)があるが、あちらは人口の山。江戸時代尾張藩下屋敷だった時に盛土して築かれた山である。 ちなみにタイムワープドラマ「仁」(大沢たかおと綾瀬はるからが出演)のエンディングで流れる古写真は愛宕山から見た江戸の町の眺望である。
男坂はまっすぐに上る86段の急な階段。江戸時代にこれを馬で駆け上った曲垣平九郎の故事によって出世の石段と言われるようになった。三代将軍徳川家光が増上寺参詣の帰りに愛宕神社の下を通りかかった。 初春で愛宕山には源平の梅が満開、そこで家光は、「誰か、馬にてあの梅を取って参れ」と言い出した。家臣は一様に皆うつむいていたところ、家光公の機嫌が悪くなった。その時見知らぬ一人の侍が馬に乗り一気に駆け上ったが、家光公の家臣ではなかった。
「あれは誰だ」と将軍が尋ねると、「四国丸亀藩の家臣、曲垣平九郎と申すものであります」と知らされると家光はたいそう感心し、平九郎は全国に名を馳せる馬術の名人となったという話である。ただ江戸以降にも、明治、大正、昭和にそれぞれ1人ずつやってのけた人間がいる。 大したものだ。
男坂の北側には若干緩やかな女坂の階段がある。 ここの女坂はさすがに急だが、男坂よりも一段の高さが低いので上りやすくなっている。 愛宕は今でも十分東京の名所だといえると思う。
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