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2017年5月21日 (日)

霊南坂(港区赤坂/虎ノ門)

さて、アメリカ大使館脇、工事中のホテルオークラとの間のまっすぐに上る坂、霊南坂である。 大使館の塀は白くまるで武家屋敷のような風情を残している。慶長年間(1596~1614)に芝高輪の東禅寺を開山した嶺南和尚の庵があったので、嶺南坂となり、それが訛って霊南坂となった。

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上の写真の右の塀手前の警察詰所の脇に、赤坂ライオンズクラブが建てたここの3つの坂の丸い案内碑があるのだが、警察は白塀側には渡らせてくれない。 坂途中の標柱を撮影するのに道路を横切ったら若手がすっ飛んできて、「こっち側に来るな」と怒鳴った。その時撮影したのが下の写真。

Dscn1974_2
現在、ホテルオークラの集古館一角は工事中である。なのに工事している側しか通らせないとは意地悪なことだ。 江戸時代まではうっそうと樹木の茂った道だったようだが、その時代と言わないまでも、数年前までの大使館の白塀とオークラの雰囲気のある塀が両側に続く姿はなかなかの景色だった。

20170521
願わくは、社会の歪が緩和されて、世の中が平和になって、ここを家族連れが散歩するような時代になってもらいたいものである。ちなみに警察は西洋人に対しては礼儀正しく対応しているように感じられた。ある意味人種差別をしていると言えるかもしれない。

(追記:2018/12/31)

嶺南和尚が開山した高輪の東禅寺。 洞坂の坂下の寺で、1859年には東禅寺にイギリス公使館が開かれた。 今でも都心にあっても静かな寺で、三重塔が境内にある。

アメリカ大使館の敷地は、江戸時代は坂下が茨城県常陸牛久藩山口氏(1万石)の上屋敷、対面のホテルオークラ側が埼玉武蔵川越藩(17万石)の上屋敷、大使館の坂上側は火消役5千石の旗本小出氏の屋敷。溜池が近かったので「溜池の火消屋敷」と呼ばれていた。

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