鼠坂(麻布台)
鼠坂と名付けられた坂は東京23区内に3ヶ所ある。文京区音羽にある階段の鼠坂、市ヶ谷にある鼠坂、そしてこの麻布台の鼠坂である。自動車が通行可能なのは市ヶ谷のみで、音羽とここはバイクは不可能ではないが車は無理な細い坂である。坂の標柱には、「細長く狭い道を、江戸でねずみ坂と呼ぶふうがあった。一名鼬坂で上は植木坂につながる。」とある。
幾つかの文献で鼠坂と鼬坂と植木坂が混乱しているように思う。江戸時代の切絵図にはイタチ坂の所に鼠坂と書かれている。上の写真の左の崖上は石見浜田藩の松平右近将監の中屋敷だったので、樹木が覆う狭い抜け道だったのだろう。
この辺りの江戸の坂道では西洋人に出合うことが多い。一瞬違和感を覚えるが、明治維新直後の江戸の坂道には伴天連も歩いただろう。坂上、いたち坂からいうと坂下にはかつ島崎藤村が暮らしており、このあたりの坂のことも書いている。
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