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2017年5月15日 (月)

我善坊谷坂(麻布台)

さていよいよ我善坊谷の名を冠した我善坊谷坂である。 落合坂の坂下から、右へ曲がると三年坂、左へ曲がると我善坊谷坂になる。 この辻あたりが谷の中で最も低い場所。右を見ても左を見ても崖の上のポニョならぬ、崖の上のさらに高いマンション。

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坂下にある古い下見板張りの木造家屋が昭和の香りを濃厚に漂わせる。 下見板張りというのはまさにこういう上板を外に、下板を内にわずかに重ねたもので、ここのは押縁という縦の木材が下見板を押さえている昭和の典型タイプ。 坂は急で、坂下には車止めがあって歩行者専用とあるが、坂上には何もない。

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この坂に標柱はない。 昭和の町屋を囲む笹垣が素敵だ。 江戸時代は坂下は御先手組(機動隊宿舎)、坂上は八戸藩の殿様のお屋敷だった。 江戸時代は坂の上は武家屋敷、現代は坂の上は高級マンションという、格差高低差は変わらない。

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坂上から望む変形の三階建家屋がある。 家の前に沢山の植木を出していていい雰囲気である。 お花屋さんのようだが店舗は飯倉下の桜田通りにあるようだ。 ここが店舗でも悪くない気がした。

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坂上から我善坊谷を望む。 左向こうの斜めの屋根は霊友会釈迦堂。右下の瓦屋根が昭和の下見板張りの町屋、向こうの崖の上に赤い郵便車が並び、その右手はかつての郵政省、現麻布郵便局のレトロな建物。 昭和5年(1930)に旧逓信省貯金局として建てられたアールデコ風の建物。ところが・・・

Gazen
この我善坊谷を森ビルが開発する計画が進んでいる。 恐ろしいことだ。 計画概要はこちら。また街が破壊される。 この麻布郵便局も我善坊谷もろともにシンゴジラが通ったようにつぶされてしまう。 行合坂も埋められる。 私にできることは、今のうちに何度も訪れて、我善坊谷を写しておくことだけ。 札束にはかなわない。

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