氷川坂(赤坂)
氷川神社を挟んで本氷川坂の東側の道が氷川坂である。 本氷川坂が結構な勾配を持つのに対して、こちらはなぜか大した勾配でない。 これは並行する坂によくあることで、人間の錯覚も混じるとはいえ不思議である。
その理由を考えてみると、本氷川坂は一部の勾配が大きく、氷川坂はだらだらと長い坂であることだろう。ただ、江戸時代の切絵図はこの坂沿いに氷川門前町がある。赤坂の人々はむしろこちらの道を通って参詣したように思う。 坂の標柱にはあっさりとした表現で、「八代将軍徳川吉宗の命で建てられた氷川神社の元正面に当たる坂である。」と書かれている。 事実、写真の樹木のある部分は氷川神社の横からの参道になっている。
こちらの参道から入ると境内へは階段を上ることになる。 微妙な高低差である。境内には樹齢400年の銀杏もあって神々しい。 氷川神社ができたのは享保15年(1730)だが、その時にはすでに樹齢100年を超えていた。
赤坂の氷川神社周辺は溜池に流れ込む沢によってできた谷地地形であるが、長年を経て谷にも丘にも宅地が密集するようになったので、往年の雰囲気を感じることは難しい。 ただ、氷川神社にいるとここが小高い丘の上で、戦国時代には城でもあったということが何となくうなづける。
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