新坂(荒木町)
曙橋駅の南側、住吉町の交差点から南に延びる上り坂が新坂である。 新坂という古い坂が多い中で、この坂は比較的新しい。 それでも明治の坂。 ただ切通し風の風景がなかなかのもの。
坂の標柱には、「全勝寺から靖国通り手前まで下る坂道で、明治30年代後半の道路新装によりできた坂道である。江戸時代には甲州街道から全勝寺まで杉の木が連なる「杉大門」通りが伸び、新坂ができて靖国通りまで通じることになった。「今は杉樹は伐採し、其の路は新道に通じて、直ちに市谷に達せり」(東京名所図会)という光景であった。」とある。
この新坂の西側一角は舟町という町名だが、この辺りは森林地帯でその樹木を舟板用に切り出したので「舟板町」と呼ばれるようになり、それが舟町になったという。 切り出した材木は紅葉川で流して運んだのだろう。 この都心でかつてはそういう風景があったのだと想像すると面白い。
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