綱坂(三田)
綱坂は名坂のひとつだと言われます。 三田台地の峰にあたる三井倶楽部の大銀杏脇から慶応大学裏手に下る坂です。坂上では綱の手引坂が接しています。綱坂の途中から東に下るのが姥坂で、その角がイタリア大使館。綱坂は砥粉色(とのこいろ)の三井倶楽部の塀がだんだんに落ちていく、雅な雰囲気をもつ坂です。
江戸時代の三井倶楽部敷地は会津藩松平肥後守の屋敷。向かいは広大な松山藩松平隠岐守の屋敷。 上部はまっすぐですが坂下で曲がっている景色がアクセントになっています。坂下の東側は慶応大学。江戸期は肥前島原藩松平主殿頭の屋敷でした。
もう一つこの坂の魅力は三井倶楽部の樹木が覆いかぶさっているところ。 塀の段差がまた絵になっています。 現イタリア大使館の場所は明治以降大正までは松方邸でした。大蔵大臣として名を馳せた松方正義の邸宅です。その後イタリア大使館となりました。
いっぽうその南側の慶応の敷地を借り受けしたのは福沢諭吉でした。こんなにいい坂があるのに、慶大生はその存在をほとんど知らないようです。ちなみに横浜開港資料館の所蔵写真には江戸末期の写真があり、ちゃっかり使わせていただきました。下の写真です。基本当時と道は変わっていないのがよくわかります。
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