暗坂(暗闇坂)
新宿区は古い町名が残っていて嬉しい。 荒木町の西側が新坂のある舟町、そのさらに西側が愛住町である。それぞれが昨今の丁目レベルの町の広さで、人と人が助けあい支え合いながら生活するのにちょうどいいサイズだと思う。 行政が区割りを変える時は、そこに住む人の生活や人生をも変えるくらいの覚悟で行ってほしいものである。
坂上には釣り人の聖地のひとつである「釣り文化資料館」がある。週刊釣りニュースの創刊者である船津氏が開いた和竿・魚籠などの伝統釣り具を展示しているが、本社ビルなので平日しかやっていない。そのためにまだ入ったことはない。 資料館前から下るのが暗坂(暗闇坂)。 石垣の上は全長寺の墓地で、まさに暗闇坂の名前の通り、墓のそばであるが、現在はビルが多く明るい雰囲気。
墓の石垣の下と坂下に標柱がある。「四谷北寺町へ出る道で、坂の左右に樹木が茂っていて暗かったためこの名がついた。別名『くらがり坂』ともいう。江戸時代、坂上一帯は多くの寺院が並び、四谷北寺町と呼ばれていた。」と書かれている。 今でも4件の寺が並んでいる。江戸時代末期は6軒あり、そのうちの4寺は今もある寺院。
坂は最後に階段になる。 江戸時代から大正まではこちらの道だけだったが、その後カーブして靖国通りに下る車道が開かれた。ものの本にはそちらを暗闇坂と書かれているが、明治以前の地図はみなこの階段の方を暗坂と記しているので、私はこちらを暗坂としたい。
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