市谷八幡男坂・女坂
釣堀の見える市ヶ谷駅を降りる。釣堀の脇、外堀を渡る橋は江戸時代からの石垣の残る市ヶ谷橋。 ここは江戸時代城の外郭の門のひとつ、市谷御門があったところ。 交差点の名前は市ヶ谷見附。この一角で靖国通りと外堀通りが絡み合うような交じりをしている。市谷見附から市谷八幡町交差点までの100mほどは二つの通りが一つになる。そこに市谷亀岡八幡宮がある。
目の前に立ちはだかるような男坂の階段。途中踊り場を経て60段の石段である。鎌倉の鶴岡八幡宮を分祀したので亀ヶ岡八幡宮とは洒落なのだろうか。境内には4つの神社がある。亀岡八幡宮・茶ノ木稲荷・金毘羅宮・出生稲荷の4つである。
西側には車道になっている女坂がある。 こちらは上り下りに歩く人はほとんどいない。 この八幡宮を勧請したのは徳川ではなく太田道灌である。1479年の創建だから540年前。 茶ノ木稲荷はそれ以前から市谷にあったものだという。
亀岡八幡宮は一度衰退しているが、江戸時代になってから再び賑わいを見せるようになった。 三代将軍家光の信仰もあって、たいそう栄えたという。境内脇にならぶ力石も7基残っており区の指定文化財となっている。
再び男坂を下る。上の踊り場にある鳥居は珍しい銅鳥居。 1804年に建立されたものである。 江戸の雰囲気を残した境内にしばしたたずむ。 眼を閉じると200年前の喧騒が聞こえてくる気がした。
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