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2017年7月 2日 (日)

念仏坂(曙橋)

曙橋通り商店街は昔は市ヶ谷谷町という湿地帯。坂上の窪地にはいくつかの池があり、池を見下ろすように巨大な屋敷が建てられていた。その屋敷のひとつ徳川邸の敷地に戦後昭和になってフジテレビが建った。地形で言うといわゆる谷地だったろうと思われる。
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商店街の脇にいきなりこれだけの急な階段があるとびっくりするのだが、これがこの辺りの地形を代表しているといってもいい。上る前にいったん息を整えるほどの階段である。 階段下に標柱がある。「『新撰東京名所図会』では、昔この坂に老僧がいて昼夜念仏を唱えていたことに因むという。またこの坂は左右を谷に臨み、屈曲しており危険だったので、仏名を念じて往来する人がいたことに因むともいう。」と書かれている。
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年配の方は鉄製の手すりを頼りに上って行く。 途中黒御影石の石柱があるが、これは昭和55年に地元の人が建てたもの。まっすぐでなく、折れ曲がっていてかつ微妙に曲がっているその道筋がなかなかいい景色である。
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坂上は打って変わって極めて明るく、太陽がさんさんと降り注ぐ雰囲気。江戸時代の切絵図を見ると坂の上の台地には小さな武家屋敷が並んでいる。台地に武士、谷に町民というのは江戸時代の典型。
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上の地図は紅葉川の源流の沢のくぼみを強調したもの。谷筋は明治以前は暗い場所だったのだが、時代を経て今はどっちかというとディープなエリアとして人気が出ている。ふと四谷の地名の由来を考えてみた。二つの説があり、4つの谷によって形成された土地だから四谷という説と、四軒の茶屋があったことから四屋>四谷という説。しかし私はもう一つの説を支持したい。 元は谷地谷と呼んでいたがヤチヤ>ヨツヤと転訛したのではないだろうか。
 

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