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2017年7月 1日 (土)

安養寺坂(曙橋)

曙橋通り商店街を北上すると右に念仏坂の階段を見た先で左に上る道がある。 安養寺坂だ。 坂の南側に安養寺がある。浄土宗の寺院で1574年に開山、1656年に現地に移転した。曙橋商店街の通りはかつては市谷谷町と呼ばれ、娼婦街を形成していたという。谷沿いはこういう歴史が多い。

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坂下と中腹に標柱があり、「『新撰東京名所図会』に「安養寺は念仏坂の少し北の方を西に大久保余丁町に上る坂路をいふ。傍らに安養寺のあるに因れり。」とある。安養寺は浄土宗知恩院末の寺院で、もと市谷左内町富士見坂の辺りにあった。そこが明暦2年(1656)、尾張藩上屋敷となるため現在地に移ったという。」と書かれている。

坂上に公園があるが、その手前に崖を形成する路地があり楽しそう。 まだ散策していないのでそのうち歩いてみたい。意外とその路地は古道で鍋釣(なべつり)と呼ばれているそうだ。

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で、娼婦街の話だが、坂下の辺りは通称ぢく谷と呼ばれた低湿地で、江戸時代から明治大正期にかけてはスラム街で、いわゆる岡場所(私娼窟)のひとつとして知られていた。 また当時は「貸し倒れ横丁」と呼ばれ、商店を開いてもたいていつぶれてしまうとも言われたという。しかし戦後フジテレビが出来てとても賑わう街になった。当時はフジテレビ通りと呼んでいた。 しかし1997年にお台場に移転すると、この商店街の賑わいは衰えてしまった。 歴史というものは不思議なものである。

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