宝竜寺坂(牛込)
早稲田通りと外苑東通りの交わる弁天町から南へ歩く、今も寺はあるのだがビルの陰にひっそりとたたずんでいるので、意識しないと気づかない。南春寺はビルの寺になり、多聞院と浄輪寺はお屋敷の玄関のような入口になっている。外苑東通りの東側はすぐ裏が崖になっていて、奥の敷地に入るには階段か急な坂を上るしかなく、牛込弁天公園も同じように上ってから台地のようになっている。 そのまま少し進むと、左に階段道が現れる。
宝竜寺坂である。別名を幽霊坂という。標柱には次のように書いてある。「昔この辺りは七軒寺町という寺町で、この坂の上に宝竜寺という寺があったためこう呼ばれた。また明治頃、寺の樹木が茂り、寂しい坂であり、幽霊が出るといわれたため、幽霊坂とも呼ばれた。」 江戸時代の切絵図では確かに寺は今の外苑東通り沿いに7軒並んでいる。 しかし宝竜寺はその7寺には含まれていない。 それどころか坂上の寺の名前は法輪寺とある。 法輪寺と宝竜寺、確かに響きは似ているが、同じ寺か違う寺かはわからない。
現在はきれいなタイル張りの階段だが、昔の写真を見ると少しU字型に見えるコンクリートの階段道のようだ。坂下周辺は江戸時代は根來百人組の屋敷だったようだ。 江戸時代の鉄砲隊のひとつ。根來組、甲賀組、伊賀組、二十五騎組の4組があった。
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