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2017年8月27日 (日)

グランド坂(早稲田)

グランド坂は新しい坂である。 新しいと言っても昭和の初期くらいだから80年以上の歴史はあるわけだ。 グランドというのは現在早大中央図書館のある早大総合学術センターがある場所にあった戸塚球場が由来である。

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上の写真の左の大きな建物の敷地がそれで、明治35年(1902)に早大がスタジアムを設置、まだ日本野球の草創期であったが日本で初めての照明付きナイター球場だった。当時は大学野球や国際試合もここが中心だったが、大正15年(1926)に神宮球場が完成すると徐々に中心ではなくなった。

坂の上下にある標柱には、「戸塚球場(今の早大総合学術センター)のグランドから、六大学リーグ戦に向け練習に励む学生達の声が響いてくることからグランド坂と呼ばれるようになった。戸塚球場は昭和24年、早大野球部育ての親、安部磯雄氏の逝去により安倍球場と改称し、昭和62年まで存続した。」と書かれている。

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さすがに学生がグランド坂を縦横無尽に自転車で行き交うのはほかではあまり見かけない風景であるが、時代を遡ると明治の初めにはこの辺りは茶畑で、坂下は水田の広がる風景だった。時折神田川は洪水を起こし、それが実り豊かな農村(下戸塚村)に繋がっていたようである。 さらに江戸期に遡ると、茶畑の間には神社や寺が点々とあり、今の早大キャンパスの一部には水神社があり、境内には日本最古の富士講の富士(1779年築)である高田富士もあって、江戸期は江戸期で賑やかな場所だったようだ。昭和30年代に早稲田が大規模な施設拡張をした時期に高田富士は撤去されてしまった。 住民の反対もあったようだが、高度成長期ということもあり、押し切られてしまった感がある。

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