六天坂(中落合)
見晴坂の一本西側の坂道が六天坂。 見晴坂沿いのマンションが見晴坂の名前を付けているのに、六天坂沿いのマンションは坂上の一軒だけが六天坂の名を付けている。 悪くない名前だと思うのだが、不動産屋さんはお好みではないようだ。
坂の名の由来は上の写真のお屋敷の門脇にある六天社。 ただ石川氏の『江戸道教坂道事典』、道家氏の『東京の坂風情』にはどちらにも見晴坂と六天坂が逆になっている。 彼らが間違えるのも考えにくいし、新宿区の標柱が違うとも言えないし、そうなるとこの六天社がここにあるのは合点がいかない。
六天というのは、神仏習合の時代(平安~鎌倉時代)に第六天魔王を祀る神社として創建されたもので、300社以上があるが、最近は合祀されつつあるようだ。坂の標柱には、「大正時代に開かれた坂道である。坂上に六天の祠が建っていたため、六天坂と名づけられたという。」とある。 坂上の六天がなぜ今、坂下にあるのかは記されていない。
坂下の標高は18m、坂上は35mと見晴坂と同じなのだが、こっちの方が緩やかに感じるから不思議である。 もちろんこちらの坂も坂上から新宿の高層ビル群を眺めることができる見晴らしのいい台地の端である。
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