富士見坂(本郷)
富士見坂という名の坂は各地にある。 大半は西向きの坂だが、ここは珍しい南向きの坂。 実際に東京から見る富士山の方向は真西ではなく、西南西である。 したがって南向きの坂で西側が開けて居れば富士山の眺望は無理がない。 昭和の終わり頃までは、接するお茶の水坂から富士を眺められたという。
坂の説明板や標柱はない。 この道は現在は路地だが、古い道で江戸時代の明暦の大火の火元と伝えられる菊坂の本妙寺門前からまっすぐに南下するとこの坂に至る。 『新撰東京名所図会』には、「富士見坂、油坂の北にありて東に上るを富士見坂といふ。富士山の眺望に適す。」と書かれている。 昔は方角もアバウトだったようだ。
坂上は本郷給水所公苑の西側の通りになる。 坂の東側のガラス張りの建物は順天堂大学の学術メディアセンター。 大学専用のメディア図書館だが、最近の都心の学校はオフィスビルと見分けがつかなくなってきた。
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