立爪坂(湯島)
嬬恋坂の坂の途中、北側に突然階段が現れる。 坂下に7段の階段、坂上には12段の階段があって、間にある家は車での出入りが不可能な、最近では珍しい立地。 江戸切絵図では妻恋稲荷の裏手を周るように道がついていて、「立爪サカ」と描かれている。
階段の石は以前に来た時よりもきれいになっていた。 そんなに人通りがある道ではないが、以前の階段はコンクリートでひび割れもしていたから、新しくブロックで新設したのだろう。 コンクリートは階段のように水が流れやすい場所ではすぐに傷んでしまう。 近代文明の発明品だが耐久性は極めて弱いのがコンクリートである。
立爪坂は別名芥坂(ごみざか)ともいう。 こういう場所は江戸時代にはゴミ捨て場になっていたと言われる。 また名前の由来は階段になるほど急なので、爪を立てて上るくらい険しい坂だったということだろう。 古い資料には立爪坂を、「坂の脇の崖下を芥(ゴミ)捨場にした時分には、辺りの人々は俗に芥坂と呼ぶようになったが、このゴミ捨て場の管理は町内の負担であった」という事が書かれている。 こんな路地が江戸時代から綿々と続いていることに嬉しさを感じる。
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