新坂(外記坂)
壱岐坂下の交差点はよく見ると五差路である。 真東に接続する路地を入ると、左手には水道橋グランドホテル。 正面には階段の坂が現れる。 これが新坂(外記坂)である。 新坂と言っても例にもれず江戸時代の坂。 昭和63年製の説明板が階段の途中にある。
「区内には、新坂と呼ばれる坂が六つある。 『東京案内』に、「壱岐坂の北にありて小石川春日町に下る新坂といふ」とある。 『江戸切絵図』によると、坂上北側に内藤外記という旗本の大きな屋敷があり、ゲキサカとある。 新坂というが、江戸時代からあった古い坂である。
この坂の一帯は、もと御弓町、その後弓町と呼ばれ、慶長・元和の頃(1600年頃)御弓組の与力同心六組の屋敷が置かれ、的場で弓の稽古が行われた。 明治の頃、石川啄木、内藤鳴雪などの文人が住んだ。」 と書かれている。
今も人通りの多い階段である。 江戸時代初期に御弓組を置いたのは、この辺りが江戸城の鬼門にあたるという考えに基づくようだ。 階段を上った正面角のマンションがシティハウス本郷弓町とある。 辺りには弓町の名前を付けた建物がいくつかあって、歴史が残されていることにほっとする。
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