金魚坂(本郷)
本郷菊坂の坂上近くにある路地。 一見すると、戦後金魚屋が適当に付けた坂名のように見えるが、実はさにあらず。 歴史ある金魚屋で、坂名も江戸末期からあるものなのである。
2016年に訪れた時、菊坂側は更地になっていた。 この土の面の段差は江戸期からの土地の記憶である。 段になって坂奥が高くなっていく。 2017年に再訪すると、さすがにこの更地はビルになってしまっていた。
金魚坂(旧 吉田晴亮商店)の創業は1854〜1859年頃 (安政年間)。元は、吉田晴亮商店を名乗った金魚・錦鯉の専門問屋。現在では、魚料理やカレーを出すカフェや、金魚すくいができる釣り堀などを併設。金魚のテーマパークのような憩いの場となっている。
この金魚屋、自称では創業350年とうたっている。 しかし金魚は古くから日本の文化として、庶民の間に浸透してきた。 店を構える前に行商を代々やっていた可能性は否定できない。 現金魚屋女将は7代目という。 それから計算するとやはり、江戸末期が適当だろう。 しかしここもいつまでも頑張ってほしい老舗の一つである。
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