三百坂(小石川)
三百坂という名前はユニークである。 そして伝わる由来もまたユニークである。 坂の景色はというとほとんど魅力的なところはない。 東京学芸大学附属高校竹早高校のグラウンドの裏を下る普通の道で、坂下手前でくの字に曲がっている。
「別名、三貊坂(さんみゃくざか)
『江戸志』によると、松平播磨守の屋敷から少し離れた所にある坂である。松平家では新しく召抱えた「徒の者(かちのもの)」を屋敷のしきたりで、早くしかも正確に、役に立つ者かどうかをためすにこの坂を利用したという。
主君が登城のとき、玄関で目見えさせ。後衣服を改め、この坂で供の列に加わらせた。もし坂を過ぎるまでに追いつけなかったときは、遅刻の罰金として三百文を出させた。このことから,家人たちは「三貊坂」を「三百坂」と唱え、世人もこの坂名を通称とするようになった。」
学校の敷地の大半は松平讃岐守の下屋敷で、周辺は小さな武家屋敷がずらりと並ぶ街並みだった。 三百坂の東側の武家屋敷の裏手はほぼ伝通院境内の中にある寺院だったが今では3軒ほどしか残っておらず、往時の姿を想像するのも難しい。
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