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2017年11月 6日 (月)

暗闇坂(白山)

あちこちに暗闇坂(闇坂)という名の坂はある。 単純に武家屋敷の間とか林の間で暗い場所をそういう場合が多い。 この白山の暗闇坂は武家屋敷の間の暗闇坂である。 坂の西側には酒井雅楽頭の屋敷、東側には森川伊豆守の屋敷があり、それぞれに広い屋敷なので樹木の生い繁る暗い道だっただろう。

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現在は京華女子中高校の手前の路地を入る狭い急坂。坂に関する情報が少ないからか、説明板はない。 坂上の道も細い路地だが、江戸時代の切絵図にもある古い道。白山神社の裏から暗闇坂の上を通り、その先で東に曲がり中山道に出るが、江戸時代は右も左も大名屋敷で、この路地も暗かったと思われる。 明治時代の地図を見ると、坂下には川が流れている。その川の水で池が出来ている場所もあり、それは現在の京華商業高校の敷地のようだ。

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明治の末頃、寺田寅彦はこの坂の上に住んでいた。当時も鬱蒼とした樹木に覆われた通りだったと書き残している。 また、『新撰東京名所図会』には、昔はこの辺りは家屋なく原野だったため、単に原と呼んでいたが、そのうちに家が建つようになり、原では困るので大小を付けて大原・小原という地名で呼ぶようになった、とある。明治時代の地名は小石川原町であった。

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