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2017年12月16日 (土)

汐見坂(解剖坂)

日本医科大学病院の裏手の路地にあたる階段道。 夏目漱石の旧居跡手前を下る。 夏目漱石は早稲田の名主の家の出だが、イギリス留学から帰国した明治36年から4年近くここに住み、ここで『吾輩は猫である』を書き、文壇デビューした。 そのためここは「猫の家」と呼ばれた。 その後、『坊ちゃん』『草枕』もこの地で書いている。

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坂名の由来は病院坂かつ裏の坂ということだろう。「解剖坂」というのは後につけられた名前ではないかと思う。 汐見坂と書かれている文献が多いが、幽霊坂とされているものもある。 とかく病院周りは寺社仏閣や墓地よりも、西洋的なインパクトの強いおどろおどろしさがある。 それは生と死のギャップを感じさせるからであろう。

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傾斜は階段でなくとも何とかなる程度である。 江戸以前はこの坂下は藍染川の流域で、その向こうに上野台地があったので、本当に汐見ができたのかは不明。 ただ本郷台地は20m程度、上野台地は15mほどの標高なので上野台地の向こうに江戸湊が見えた可能性はありそうだ。 もっとも今のようにビルが立ち並んだ東京では望むべくもない。

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