三崎坂(谷中)
三崎(さんさき)坂は団子坂下から谷中霊園に上る坂道である。 どこからどこへという幹線ではないが、なぜか通りは賑わっている。 昨今の谷根千ブームで観光客が絶え間なく入ってきているのだ。 坂下のへび道の出口に枇杷橋跡(合染橋跡)の説明板がある。
「文京と台東の区境の道路は、うねうねと蛇行している。この道は現在暗渠となっている藍染川の流路である。(中略)川の名は、上流から境川・谷戸川(谷田川)・藍染川などと呼ばれた。藍染の名の由来はいろいろある。染井から流れ出るから、川筋に染物屋があり川の色が藍色に染まっていたからなど。(中略)川は、水はけが悪くよく氾濫したので、大正10年から暗渠工事が始められ、現在流路の多くは台東区と文京区の区境の道路となっている。」
坂の途中に標柱がある。
「三崎」という地名の由来には諸説あるが、駒込・田端・谷中の三つの高台に因むといわれる。安永2年(1773)の『江戸志』によると、三崎坂の別名を「首振り坂」といい、30年ほど以前、この坂の近所に首を振る僧侶がいたことに因むという。」 と書かれている。
ふつうは三崎坂と書くと「みさき」と読むのだが、「さんざき」と呼んだのは標柱の説明にあるように三つの高台があり、その高台を岬になぞらえて「さんさき」と呼ぶようになったというのがしっくりくる。
写真: 2016/5/5
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