カナリヤ坂(旗の台)
カナリヤ坂の命名は昭和中期と新しいが、道そのものは大正以前からあった。 旗の台駅は東急池上線と東急大井町線の乗換駅で、南口と東口の二つの出口がある。 そのどちらから行っても回り込む必要があるが、東急インの角を南へ入る路地なのでわかりにくくはない。
坂上には荏原第五中学校があるが、その校長先生と坂の中腹の鳥獣店の主人が相談して、昭和30年代に「カナリヤ坂」という名前を付けた。 当時はカナリヤは人気だったので、鳥獣店店主の意見が強かったのかもしれないが、店舗は現存していない。 その坂名が生徒や近くの小学校の児童の間で定着したという。
坂上に近い旗の台南公園に品川区の品川百景の銘板がある。 これは昭和62年に設置されたもの。 この場所は、立会川に削られた台地の崖線にあたり、駅のある場所と五中の場所では10mの標高差がある。
旗の台駅は改装中だったが、池上線側のホームには懐かしい木製の長椅子があり、屋根も柱も昭和以前の懐かしいものが残っている。 この柱にはかつては灰皿が備え付けて立ったものである。 いつまでこの懐かしい景色が残されるのか、利便性や快適性と引き換えになるのだろうが、寂しい気持ちが否めない。
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