石古坂(不動前)
目黒不動前には今でも雰囲気のある商店が多い。 鰻の蒲焼を売る八つ目やも行列のできる人気店だ。 この八つ目やのある辻から南西に進むと、林試の森公園の東門に出る。 林試の森はかつての農林水産省林業試験場跡にでき、多くの樹木を試験場時代から引き継いだ、樹木ファンには魅力的な公園である。 試験場は筑波に移転したがそのままの雰囲気が残されている。
東門前の道路が石古坂で、これが目黒区と品川区の区境になっている。 東門の近くに目黒区の標柱が立っている。
「その昔石ころが多い道だったので、石古坂と呼ぶようになったといわれる。他に、古地図に記された「石河坂」が転じた説などがある。」 とそっけない。
どうも昔はここが羅漢寺川という小川であったらしい。 それで石川→石河となり、いつからから石古となったという説がある。 この川は飲み水にできるようなきれいな水の小川であったという。
昔の川の呼び名としては、飲料に適した清流を石川とか呑川と呼んだようだ。 一方で、農業用水のような川は、品川とか砂川と呼んだ。
確かに明治の地図を見ると林業試験場の中を小川が流れ、目黒不動前を目黒雅叙園方面に流下している。 しかし石古坂の上までは来ていない。 私の推測は、石河(石川)の近くにある坂なので石河坂といったのが、読み違えるうちに石古坂に転じたのではないかと考えている。
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