仙台坂(大井町)
仙台坂は港区麻布にもあるが、こちらも仙台坂。 仙台藩伊達家の上屋敷は現在の日テレのある汐留の26,000坪、電通ビルから日通ビルまでの全敷地。 中屋敷は愛宕下の10,000坪、下屋敷は麻布の仙台坂沿いの21,000坪、そして麻布を返上し、引っ越したのがここ大井町の3,000坪だった。 大井町の下屋敷が最も狭かった。 その理由は旧仙台坂のところで…。
下屋敷は通常江戸の郊外に作り、火事などの際の避難場所の役割を持っていた。 坂上にある仙台味噌蔵(上の写真)は有名だが、蔵屋敷的な役割も大井は持っていたのだろう。
実は元はこの味噌蔵前の道路が仙台坂だった。青物横丁からの道が仙台坂と呼ばれるようになったのは、こちらの道が新道として明治以降改修され交通が増えたためいつしか仙台坂になった。
古くはこの坂上はくぬぎ山と呼ばれた。 今は大井町東口の商店街がにぎわっている。 伊達屋敷のあるくぬぎ山はたいそう風景の良い場所で、江戸湊を俯瞰できた。 都心の上屋敷に比べれば、味噌蔵付の別荘のようなものだったと思われる。
仙台味噌は後に八木醸造所となり、今もこの仙台味噌蔵で味噌を作っている。
坂上の「仙台坂上バス停」と坂下のりそな銀行前に品川区の立てた標柱がある。「仙台藩主伊達家の下屋敷や、仙台味噌の醸造所があったことから、仙台坂と呼ばれている。 もとは、この坂の南方、海晏寺と泊船寺の間にある坂の名であったが、のちにこの坂の方が道幅が広がり、交通量が多くなったため、坂名が移転したものといわれている。」
| 固定リンク | 0
コメント