向陵稲荷坂(西日暮里)
道灌山の上から開成高校と開成中学の間を下る坂道である。 坂上西側に向陵稲荷が鎮座しているので、向陵稲荷坂と呼ばれる。 開成学園との関係が深く、学業成就の御利益を謳っている。
神社の縁起には、向陵稲荷大明神(宇迦之御霊神=稲荷神)を祭る。 江戸時代から佐竹氏の屋敷内に祀られていたものを、大正初期渡辺町(旧町名)にひぐらし公園に移して町の鎮守となっていた。のちにここに移転したが、戦災でも焼けることなく残ったとある。
稲荷前から坂を下ると、左手には多種遺跡の埋もれた開成高校のグラウンドがあり、右手には中学校がある。さかの中腹には高校と中学を結ぶ渡り廊下がある。東京の学校には渡り廊下があるところが多いが、この渡り廊下から坂上に向かって桜の木が並んでおり、春は見事な桜のトンネルになるという。
坂名の由来はひぐらし坂と同じく、平成2年(1990)に地元からの要望があり、それによって名づけられたもの。 区と地元で設置した標識が坂上と坂下にある。
佐竹氏については、秋田県の地元にも「旧秋田藩主佐竹氏別邸(如斯亭)庭園」があり、庭園造りにはそうとな造形があったものと思われる。 その庭園は秋田市街北東部を流れる旭川の左岸に位置する。 居城であった久保田城の搦手(からめて=城の裏門)に近在する田園の景勝地(搦田)に営まれたこの別邸は「唐見殿」とも称された。
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