地蔵坂(西日暮里)
谷中墓地の北へ続く崖線はJR日暮里駅から西日暮里駅へと続く。 両駅の間に諏訪台という見晴らし台があり、日暮里から東の低地を一望できる。 江戸時代からその良い見晴らしにひぐらしの里と呼び人々が訪れた。 そこに諏方神社がある。創建は元久2年(1202)、当時周辺を支配していた豊島氏(豊島座衛門尉経泰)が信州の諏訪神社より勧請。日暮里(新堀)村、谷中の鎮守となった。
諏方か諏訪かということについてはよくわからない。 富士見坂側の鳥居脇の石柱には「諏訪神社」とあるが、他のものは「諏方神社」と彫られている。 時代によるものなのか、何か謂れがあるのかはわからない。
その諏方神社から崖線側に下る階段がある。これが地蔵坂である。途中に荒川区の説明板がある。
「この坂はJR日暮里駅の西脇へ屈折して下る坂である。坂名の由来は、諏方神社の別当寺であった浄光寺に、江戸六地蔵の三番目として有名な地蔵尊が安置されていることにちなむという。」
諏方神社の南隣の浄光寺は景色の良い諏訪台にあったので、江戸時代は鷹狩りに来た将軍が御膳所としていた。 庶民だけではなく、将軍も好んで景色を楽しむ場所だったのは今の地形を見てもわかる。
この階段坂は意外と長く、61段もあり、高低差は15mある。駅のホームから見ると地下に潜っていくような錯覚を覚える。 気になったのは、坂下から駅の東側へトンネルで行くようになっているのだが、このトンネルに「諏訪坂架道橋」とある。 これはJR側の間違いだろうか。
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