朗師坂(池上)
池上本門寺に南から上がる坂道は、此経難持坂、おんな坂、それに朗師坂の3つである。 どれも階段坂で、朗師坂は朗子会館と池上会館の間の崖を本門寺の墓地に上る。 朗師坂の朗師と朗子会館の朗子の字が異なるのは何が違うのか調べてみたがわからない。 朗師というのは日蓮門下の六老僧の一人、日朗のことをいうが、その教えを受ける意味での朗子なのだろうか。
坂下の自転車があるところには石塔がある。「日朗聖人ガ三十九年ノ間 日蓮大聖人ノ御墓所ヘ日日往復ナサレ給ヒシ坂ナリ」と刻まれている。 日朗(1243~1320)は祖師(日蓮)入滅後、寺窪(現在の照栄院付近)に草庵をつくり、以後三十有余年毎日この坂を上り、山上の日蓮御廟所へ参拝したといわれる。
階段は23mの高低差の崖線を上っていく。 樹木に囲まれ、静かなよい坂道である。 現在池上会館がある場所は昔、寺窪といい、日蓮が入滅したのち身延山に務めた日朗がその後に幽棲した場所である。したがって坂もかつてはもう少し東側にあったようだ。
坂上には大田区の設置した木製の標柱があり、「日蓮聖人の愛弟子日朗聖人は、祖師入滅後 ささやかな草庵をつくり山上の日連聖人御廟所へ、毎日この坂を上って参詣したといわれる。」と書かれている。
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