どりこの坂(田園調布)
田園調布せせらぎ公園の北側沿いを上るのがどりこの坂である。 興味をそそる坂名だが、坂の上下の標柱を読んで思わず笑ってしまった。その標柱に書いてあるのが次のような説明だ。
「昭和の初めころ、坂付近に「どりこの」という名の清涼飲料水を開発した医学博士が屋敷をかまえたので、誰言うことなく「どりこの坂」と呼ぶようになったといわれている。それまでは池山の坂と言っていたという。」
坂上にはハイツどりこのやテラスドリコノなどというマンションがあってそれもまた面白い。博士の家がそこにあったかどうかは分からない。 それに「どりこの」というネーミングも意外性があって気にかかる。 と思ったら坂学会のHPにちゃんと調べてあった。さすがである。
南の田園調布せせらぎ公園は昔の多摩川園跡。その後テニスクラブとなり、現在は広い崖線の公園になっている。このどりこの坂(池山の坂)は江戸時代からあった道。 沼部の台地と田園調布の谷地とを結ぶ農道のようなものだったと思われる。 線路が通っている辺りは、明治以前はほとんど田んぼだった。 中原街道筋の沼部がにぎわい、こちらは山村の風景だったと想像できる。
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