大坊坂(池上)
池上本門寺境内、紅葉坂の西側の崖線を下るのが大坊坂。 階段坂である。 地形的には本門寺は周りから20mほど高い台地になっている。 その崖線のほとんどが急峻でそのためにあちこちに階段がある。
大坊坂の傾斜もなかなかのもので、途中踊り場が上る人には助けになる。 坂上と坂中に標柱がある。「『新編武蔵風土記稿』に「大坊坂、方丈の右の坂なり、大坊へ行く道なればこの名あり」と記されている。 本門寺山内西隅の石段坂で坂下に大坊と呼ばれる本行寺がある。」と書かれている。
崖線は緑に包まれて日陰になっている。 石段は6層になっていて、擦り減り具合が時代を感じさせる。 坂下の大坊本行寺は日蓮が入滅した時にこの地の領主であった池上宗仲の屋敷があった場所。 そして本門寺全体は池上氏の土地の一部だった。 日蓮を崇信していた池上宗仲は日蓮の死後、屋敷を寄進し、日澄を開山僧として大坊を起こした。
中程の踊り場から北に下る石段の先に朱塗りの宝塔が見える。 日蓮を荼毘にしたところで、朱色の多宝塔が特別な場所であることを思わせる。 建立は文政11年(1828)、幾度かの修復を経て現在に至っている。
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