妙見坂(池上)
池上本門寺の東側、本門寺山内の妙見堂に上る階段坂。 もちろん坂名は妙見堂に因んでいる。 本門寺総門手前の呑川を渡る霊山橋から呑川沿いを下流に下ると、池上小学校の先に照栄院があり、その脇を入ると間もなく急な階段坂の妙見坂が現れる。
半島の海食崖を想起させる急な階段である。 坂下と坂上に標柱がある。
「『大日本名所図会』には「妙見堂、妙見坂の上にあり。妙見大菩薩を安置す。寛文4年甲辰7月紀伊頼宣氏の造立せし所なり。 即ち照栄院の鎮守とす。」とあり、坂名はこれに因む。また照栄院には元禄期に南谷檀林(なんこくだんりん)が開設された。本門寺に寄進された妙見菩薩立像は、のちに檀林の守護鎮守として、坂上のお堂に移されたと伝えられる。」 と書かれている。
妙見菩薩立像は、像高43㎝の木像で、寛文4年(1664)に徳川家康の子で紀伊徳川藩の祖である頼宣のために造られたもの。 頼宣の妻(加藤清正の娘)が本門寺に寄進したものがここに移管された。 記録の明らかな妙見像として貴重だという。
坂下の照栄院は日蓮が臨終に際して指名した六老僧のひとり日朗上人が隠棲した場所。のちに荒廃したが、日寿上人という僧が60年後に再興したと伝えられる。 妙法坂の階段の石の一つ一つにはノミの後がしっかりと残っていて時代を感じさせる。
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