行火坂(瀬田)
瀬田のセントメリーインターナショナルスクールから二子玉川駅方面に向かって下るまっすぐで急な坂道がある。 坂下に小さな石碑があり、「行火坂(あんかざか)」とある。 風景に似合わない西洋人の子供たちが続々と通学するのが面白い。 麻布の西町インターナショナルスクールなどと似ている。 麻布のスクールは暗闇坂、一本松坂、大黒坂、狸坂、仙台坂と多くの名坂に囲まれている。 なぜか坂の近くにインターナショナルスクールがあるのは、そこが元々身分の高い人々が住んでいた場所だからなのだろうか。
坂下は行善寺坂との丁字路。 坂名の由来は、地元の人々がこの坂が急で上るだけで身体が熱くなるので行火坂と呼んだという。ただ、この直線路は比較的時代の新しいもので、それ以前はもう少し行善寺坂の坂上から崖線に沿ってトラバースするような道があった。 等高線を見ると大した坂ではないので、言い伝えに疑問を感じてしまう。
江戸末期から明治初期にかけては行善寺坂と並行して、セントメリーの西側にある法徳寺からまっすぐに丸子川に下る杣道があったので、その坂の可能性も捨てきれない。 法徳寺は1558年の開山、瀬田の旧家白井氏による。 江利チエミの墓がある。
<追記>
世田谷区の資料によると、行善寺坂の途中から樹木に覆われた坂を昔は「ネッコ坂」と呼び、「行火坂」は「行善寺坂」の別名となっている。 古老への聞き取りの情報。 また、大山道は慈眼寺ルートと行善寺ルートの両方が当初からあったとされている。
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